【iOS】2023年にはWebプッシュ通知可能に
Appleは2022年6月7日（日本時間）に開発者向けイベントであるWWDC22（世界開発会議）を開催しました。
iOS 16、macOS Venturaなど2022年登場の次期OSを発表。注目の新デバイス情報としてはM2チップを搭載するMacBook Airと13インチMacBook Proを発表しました。
多くのユーザーが待ち望んでいたような、華やかな発表はほんの一部。
WWDCは開発者向けイベントですので、次期OSから実装可能になるさまざまな「新機能」についても発表されています。
その新機能の一つである「SafariのWebプッシュ通知」対応についてご紹介します。
Webプッシュ通知とは
スマートフォンのアプリから届くプッシュ通知と同じように、Webサイトからブラウザ経由でプッシュ通知を送る機能です。
2022年現在、AndroidスマホとWindowsPCがWebプッシュ通知に対応しています。
Webプッシュ通知は、Webサイトをスマホアプリな感覚で扱える、PWA(Progressive Web Apps)機能の一つです。
Appleの発表
AndroidやWindowsPCだけでなく、MacやiPhone、iPadなどのApple製品においてもWebプッシュ通知機能追加が望まれていました。
今回ついに公式から具体的なスケジュールが発表されました。
まずは今秋リリース予定のmacOS Venturaから、SafariでWebプッシュ通知機能を解禁するようです。
そして、来年にはiOSとiPadOSにWebプッシュ通知を搭載する予定だそうです。
動画の中にはデモ実演パートがありました。
Webサイトを開くと確認画面が表示されます。ユーザーが「許可」を押すことで通知が届くようになります。
設定画面もしくはSafariの設定から、通知許可設定を変更することも可能です。
Mac用のアプリと同様、右上に通知が表示されます。
通知をクリックすることで新しいウィンドウが開き、ブログ記事ページが表示されます。
Webプッシュ通知の実装に、Appleの開発者用アカウントは必須ではありません。
We'll show you how you can remotely send notifications to people through the web standards-based combination of Push API, Notifications API, and Service Workers.
(https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10098/)
サーバからの通知を受け取るPushAPI、ユーザに対して通知を送るNotificationAPI、Webページを離れた後もブラウザからスクリプトを実行できるようにするService Workerを使用して実装します。
他ブラウザと同様に、Webの標準的な技術の組み合わせで実装できることをアピールしています。
VAPIDキーを使用して暗号化通信をします。Appleへの特別な登録をしなくとも実装できるよう、配慮されているようです。
……というか少し前までFirebaseでアカウント登録しなきゃいけなかったらしく。
これがAppleさんにとって癪だったがゆえにWebプッシュ通知対応が遅くなったのでは？と考察しています。(*1)
ユーザー体験が変わる
Google製パフォーマンス測定ツールのLighthouseでは、対象のWebサイトがPWA対応しているかどうかも評価項目の一つとなっています。Chromeブラウザでのユーザー体験を重視しているからこその対応だと思います。
日本のスマホユーザーのうち４割がiPhoneを持っているそうです。(*2)
これまでWebサイトからユーザーに通知する方法としてはRSS配信やメルマガぐらいしかなく、どちらもユーザーに複雑な操作を要求するものでした。
Webプッシュ通知であれば、サイトを訪問したユーザーに「通知を許可する」ボタンを押してもらうだけです。
Apple製品のWebプッシュ通知機能解禁により、これまで以上に多くのユーザーに対して通知することが可能になります。
Webサイト・Webアプリケーションの需要が一気に高まるきっかけになるかもしれません。
今回取り上げた内容は、このページの動画を翻訳したものです。詳細は動画をご覧ください。
Meet Web Push for Safari - WWDC22 - Videos - Apple Developer
https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10098/
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