駆け出しエンジニア界隈にモヤっとする同志へ

2021/12/30
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プログラマ歴6年。
そろそろ駆け出しプログラマと名乗るわけにはいかないほどの時間が経過してしまいました。

情報収集のために用意したTwitterのプログラマ垢ではフォロワーさんとの交流を楽しむ毎日です。開始当初は想像していなかった、ありがたい収穫です。

一方で、今春から某大学の通信課程に入学。
社会人大学生になり、もうすぐ1年が経過しようとしています。

こちらでも情報収集のために専用Twitterアカウントを開設。半年ほど運用しましたが、どうも雰囲気に馴染めませんでした。

わりと見覚えのあるものの、なんとも言語化できない気持ち悪さで。駆け出しエンジニア界隈を見たときと同じような感情を抱いたので、少し考察してみようと思います。

社会人学生のタイムライン

久しぶりの学生生活。あまりに心細いので仲間がほしいので探してみることにしました。

どうやら社会人大学生どうしTwitterを使って交流しているようです。わたしも試しに専用アカウントを作りました。

こちらは専用のハッシュタグがなくても、コテハン(*1)やプロフ欄から仲間判定されるようです。

ゆるく情報交換する様子を思い描いていましたが、実際にはわたしの思い描いていたような環境ではありませんでした。

タイムラインに溢れる、アクティブなユーザーの毎日のToDoリスト投稿、レポートの合否、単位取得報告。その投稿にくっついている平均100ほどのいいね。

最初のうちは「この大学の人はみんなこれを刺激に頑張っているのだからわたしも…」と思ったのですが、早い段階で足が遠のきました。

駆け出しエンジニアのタイムライン

他人の今日のタスクが流れてくる界隈、他にもありますよね。
プログラマに馴染み深いのは駆け出しエンジニア界隈かと思います。社会人学生界隈とは違い、こちらは勉強内容に直接アドバイスができる世界です。

駆け出しエンジニア女子の投稿にひたすら返信するおじさん、オタサーの姫気分を味わう人、内容の怪しい情報商材を販売する人、意識が高すぎるあまり人類には理解不能な言葉が並ぶ投稿など …。
数多くの興味深いサンプルが観測ができます。

また多くのハッシュタグが存在するのも特徴です。「つながりたい」はもちろん、所属するスクールの生徒どうしで同じハッシュタグを使用したり、「朝活」などの活動時間帯の同じ人どうしがつながるためのハッシュタグなど。

同一のハッシュタグを使っている人が、ユーザーを公開リストに追加し、他ユーザーの毎日のToDoリスト投稿やタスク消化報告を観測。それに対して「いいね」が増えていく仕組みというのもあります。

タスク消化報告などの投稿はわかりやすく「いい行為」であることから、多くの人が「いいね」を押すのでしょう。件の界隈で「なにか勉強を頑張った」投稿が伸びるのは、ごく自然なことだと言えます。

モヤっとする点

これらのタイムライン、結局のところあまり興味が持てなかったというか、おもしろいと感じることができませんでした。

他人のレポート合否や単位取得状況というのは、わたしの貴重な時間を消費してまで手に入れたいと思える有益な情報ではありません。



テストの点数、友達と見せ合いっこしてましたか?

わたしは見られるのが恥ずかしいので、平均点以下のテストも、よくできたテストもすべて、点数の部分を折って隠していました。
まわりの生徒も同様でしたので、そういった校風・文化のもとでわたしは育ちました。

高校までは同学年の生徒がいっせいに同じテストを受けるので、ちょっとした情報でも直接自分の利益になりました。

しかし大学は、自分で計画して単位を獲得していく仕組みです。

こうなると、タイムラインに流れてくる他人のペースと、自分のいまの状況を比較して落ち込む時間すら無駄です。

向いてなかった理由はもう一つあります。
学生時代、周りにいい子ぶりっ子ちゃんはいませんでしたか?

先生や上級生に取り入る子、男子生徒にだけ好かれる女子。こういった人たちは、好感を得たい『対象』がはっきりしていたように思います。

一方でタイムラインに溢れる「今日モワタシ頑張リマシタ投稿」はどうでしょう?
いったい誰からいい人に見られたいのか?

本人たちにその気がなくとも、誰かに対していい子ちゃんアピールをしているように見えて、モヤっとするのです。

しかし立派な投稿ですから、誰にも咎められません。ただしそれを目撃する可能性のあるわたしたちは、心の準備をしておく必要があります。

なごみたいと思って開いたSNSが「俺テストで100点もらったー!すごいだろー!褒めろー!」と叫ぶ奴で溢れかえっているのは、もううんざりです。

まずは精神を逆撫でするような投稿は毒だと認識すること。イラッとする前に積極的にシャットアウトしていきます。

また冗談や雑談より、日々の「頑張リマシタ報告」の反響のほうが大きいというのも、息の詰まる環境だと感じました。
なんだか人間味がなくて、むしろ不自然だと。

他の人がどうかは知りませんが、わたしがSNSにまず求めるのは息抜き、プライベートな時間をゆるく過ごしたいのです。



大人になればなるほど、冗談の通じる相手と交流する時間が減っていく寂しさを感じています。

こういった投稿に反応をもらえるのは大変嬉しいかぎりです。有益な情報の収集も目的ではありますが、そんなものは二の次でいいのです。

エンジニアはキラキラなのか

リモート勤務、自由な時間に働ける…など様々な謳い文句を見かけます。広告を見るかぎり、まるで夢のようなキラキラした世界だと錯覚してしまいます。

しかし、プログラマも職人。
突き詰めれば『村の鍛冶屋』であるとわたしは考えます。

日々の積み重ねは確かに大切です。メモを残しておくことも重要です。

しかし散らばった点の状態ではまだその価値は低く、折に触れて振り返り、線をつなげることで初めて体系的な知識に近づくように思います。

つまり「点の状態の情報って、わざわざ他人に共有しなくてもよいのでは?」とわたしは思うのです。
自分のメモにでも残しておけば?、と。

他人から指摘を受けて線になるというご意見があるかもしれないですが、それは他人の気づきであって、自ら獲得した学びではありません。

プログラマの世界は、「華やか」などという言葉とは無縁の、その道を探究するオタクの集まりです。

広告と現実とのギャップで離れていく人も多い気がします。現実を見ても魅力的だと言われる業界にしていくのもまた、エンジニアとしての仕事なのかもしれません。


* * *


*1: 今回は「ユーザー名@〇〇大学 一年」のように情報を付け加えることを指す。他人に拡散したい補助情報を書き込む。
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